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エリクソンの発達段階説とは!?|各段階の課題を詳しく解説vol.1

   

さて,今回は「エリクソンの発達段階」についてのお話です。

エリクソン(Erikson, E. H.)の発達段階説とはどのようなものでしょうか?

エリクソン(Erikson, E. H.)の発達段階説とはどのようなものでしょうか?

 

エリクソン(Erikson, E. H.)は,精神分析の流れを汲む自我心理学という分野で活躍した人物です。

フロイト(Frued, S.)は,性欲などの個人にある要素を強調して理論を展開しましたが,エリクソンは社会的な影響を強調して理論を展開しました。

以前は,「アイデンティティ(indentity)」ということでお話しました。

アイデンティティは,青年期に中心となって現れる発達課題ということでした。

今回は、このアイデンティティを含めた「エリクソンの発達段階説」について詳しく見ていくことにしましょう。

▼目次

  1. エリクソンの発達段階仮設とは!?
  2. 人生は8段階!?
  3. 「対」の概念とは!?
  4. まとめ

エリクソンの発達段階仮設とは!?

まずは「エリクソンの発達段階」の特徴についてお話して行きましょう。

エリクソンは,ライフサイクル(life cycle)の考えに基づいて,自我の生涯発達について理論化しました。

自我は,学校や会社などの現実生活に適応する上で重要なものです。

その自我は,あらかじめ決められた成長プログラムに従って,成長していくと考えられています。

つまり,時間の流れと自我との関係によって,中核的な課題が浮かび上がってくるということです。

その段階を取り上げて理論化したのが,エリクソンの発達段階説であると言えます。

しかし,この理論の根底にはライフサイクルということがあります。

したがって,各段階で取り上げられる課題は,生涯を通して取り組むことになるものです。

課題をうまく通過したがどうかにかかわらず,他の段階でも取り組む必要があることがあります。

それでは,各段階について見て行きましょう。

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人生は8段階!?

エリクソン(Erikson, E. H.)は,人生を8つの段階に分けました。

そして,それぞれに「心理社会的な危機」を取り上げていますので,それをまとめてみます。

  • 乳児期
    :基本的信頼 対 基本的不信(basic trust vs. basic mistrust)
  • 幼児前期(早期幼児期)
    :自律性 対 恥,疑惑(autonomy vs. shame, doubt)
  • 遊戯期(幼児後期)
    :自主性 対 罪悪感(initiative vs. guilty)
  • 児童期(学齢期)
    :勤勉性 対 劣等感(industry vs. inferiority)
  • 青年期
    :アイデンティティ 対 アイデンティティ拡散,混乱(identity vs. identity diffusion, confusion)
  • 前成人期
    :親密性 対 孤立(intimacy vs. isolation)
  • 成人期
    :世代性 対 停滞,自己耽溺(generativity vs. stagnation, self-absorption)
  • 老年期
    :統合 対 絶望,嫌悪(integrity vs. despair, disgust)

以上が,エリクソンが取り上げた段階とそれぞれにおける課題です。

それぞれ詳しい内容については,また解説していきたいと思います。

 

「対(つい)」の概念とは!?

さて,ここで注目したいのは,各段階の課題として,「○○対▼▼」となっていることです。

これは,「対(つい)」の概念と呼ばれます。

エリクソンは,人間の心の中には,常にプラスとマイナスのように拮抗するチカラが存在すると考えました。

ここでは「○○」はプラスのチカラ,「▼▼」はマイナスのチカラと考えます。

すると「▼▼」に満たされている状態では,もちろん各段階の課題をクリアすることはできません。

では,「○○」だけに見たされていればクリアできるのか?

というと,そうではないところがこの「対」の概念のミソです。

この「○○」と「▼▼」のバランスが,「○○」の方が多いという状態で定着することが大事なのです。

たとえば,「○○」が70%,「▼▼」が30%のような状態が望ましいということです。

これは,成功ばかりではなく少しくらい失敗している方が良いということかもしれません。

 

まとめ

さて,ここまで「エリクソンの発達段階」についてお話してきました。

  • フロイトの心理-性的な視点とは異なり,「心理-社会的な視点」であること
  • 生涯を通して課題は繰り返される「ライフサイクル」という視点
  • 8段階それぞれで明確に現れてくる課題が異なること
  • 成功だけではく失敗もという「対」の概念があること

これらが特徴と言えるかもしれません。

それぞれの発達段階については,またお話して行きたいと思います。

 - 自我心理学

        

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