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前操作期の子どもたちへの働きかけは!?|ピアジェの発達段階説の実際

   

実際の「働きかけ」はどのようにすればいいのでしょうか?

実際の「働きかけ」はどのようにすればいいのでしょうか?

はじめに

さて,今回は「前操作期」についてのお話です。

以前、ピアジェ(Piaget, J.)の発達段階説についてお話しました。

これらの中で,前操作期について書いた記事の中で,ありがたいことに,ある日このようなコメントを頂きました。

「こんにちは。・・・(中略)・・・この時期の子どもにはどのような働きかけをしたらいいのでしょうか?ぜひ解答をよろしくお願いいたします。」

ということで,今回はこのコメントにお答えする形で,進めていきたいと思います。

とは言うものの,結論から言うと,一概にこの働きかけが良いとは言えません。

また,具体的なケースをあげてこの場合はこうすべき,のようなことも言うことはできません。

しかし,前操作期の特徴を理解した上で,子どもとの働きかけを考えることは大切です。

なので,以下はあくまでひとつの答えにすぎませんし,正解は色々あるということをことをご承知いただいた上で,実際の働きかけについて考えてみましょう。

 

前操作期とは!?

まずは,前操作期についておさらいして行きましょう。
以前もお話しましたが,前操作期は2~7歳に相当するとされています。

つまり,保育園や幼稚園に通う子どもたちです。

そして,この時期の子どもは,以下の2つが大きな特徴となることをお話しました。

それでは,それぞれの観点から,この時期の子どもへの働きかけについて考えてみましょう。

 

象徴機能から!?

象徴機能とは,ある事柄を別の事柄で表すことができる能力のことを言います。

代表的には「ごっこ遊び」をするようになることです。

砂場で作った泥団子を「おにぎり」や「果物」として「お店屋さんごっこ」をしたり,自分を「妻」,友人を「夫」「子ども」「犬」などとして「おままごと」をする姿が,この時期から見られるようになります。

象徴機能は,AをBと置き換えることです。

なので,この機能は言語獲得や文字の学習など,その後の発達においても非常に重要だと言えます。

この象徴機能を豊かに発達させることが,子どもの発達を支えることになると考えられます。

ということは,働きかけとして考えられることは,象徴機能を用いた遊びを子どもにたくさん経験させることなのかもしれません。

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自己中心性からは!?

自己中心性とは,この時期の子どもが,言語や思考が十分に社会化されておらず,自己以外の視点にたって,話したり考えたりすることができない状態のことを言います。

そして,5~6歳頃から自分以外の視点を取得できるようになり,変化が生じます。

この他にも,4~5歳を境にして,子どもに質的な変化が生じるとされています。

4歳前後の「心の理論(Theory of Mind)」の獲得は大きな転換点であると言えるでしょう。

そして,ここで重要になるのが「他者」の存在です。

この時期の子どもの変化は,この「他者」との交流をできるようになるために重要です。

そして,その「他者」との関わりを通して,また子どもの変化が生じるとも考えられます。

したがって,子どもが周囲の他者と積極的に関わることができるように,働きかけをすることが重要になると言えるかもしれません。

自分ができ始め,自分とは違う考え方や思いをもつ存在を知り始めます。

ということは,働きかけとして考えられることは,他者と関わる(話したり遊んだり)ことをたくさん経験させることなのかもしれません。

 

まとめ

さて,ここまで前操作期に見られる2つの特徴から,働きかけについてお話して来ました。

ここでは具体的なHowToについて,紹介することはできませんでした。

それは,子どもそれぞれによって働きかけは大きく異なるからです。
子どもの状態もそれぞれ違いますし,発達度合いもさまざまでしょう。

ここで重要なことは,前操作期が,次の段階へのステップであるということです。

次のステップにしっかりと進むためには,その前のステップを十分に経験することが重要かもしれません。

それを考えると,その時期に現れる特徴は,その時期にとって重要な課題なのかもしれません。

これをを思う存分体験できるような「働きかけ」が,大人に求められているものかもしれません。

 - 発達心理

        

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