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ロジャーズの提唱したカウンセリングとは!?|変化の条件と技法も紹介vol.1

   

さて,今回は「来談者中心療法」についてのお話です。

ロジャーズ(Rogers, C.)のカウンセリングとはどのようなものなのでしょうか。

ロジャーズ(Rogers, C.)のカウンセリングとはどのようなものなのでしょうか。

これまで,ロジャーズ(Rogers, C.)の来談者中心療法についてお話しました。

その中では,自己一致(congruence)や,実現傾向(actualizing tendency)などの概念についてや,セラピストの基本的態度の3条件などについてもお話してきました。

今回は,カウンセリングにおいてクライエントに変化が生じる時の必要十分条件と,カウンセリング時の応答技法について紹介していきたいと思います。

 

ロジャーズのカウンセリングとは!?

ロジャーズのカウンセリングは,クライエントの「力」を信じる形で行われます。

というのは,ロジャーズは,適切な条件さえ整えれば,人間には自分の可能性を十分発揮させようとする実現傾向(actualizxing tendency)があることを仮定しています。

「力」とはこの実現傾向のこととなります。

したがって,ロジャーズのカウンセリングは,クライエントの実現傾向の力を信じて環境を整えてあげようとするものであると言えるでしょう。

では,クライエントに変化が生じるために必要十分な条件,そして,そうした環境を作り出すセラピストの応答技法とはどのようなものなのでしょうか。

 

クライエントが変化するための必要十分な条件とは!?

クライエントがカウンセリングにおいて変化する際の必要十分な条件としては,以下の6つが取り上げられています。

条件1「クライエントとセラピストが心理的に接触している」

これは,クライエントとセラピストが事務的なやりとりのみではなく,自身のパーソナルな感情や問題を共有し,それについて話し合っているという状態のことをいいます。
これは,カウンセリングにおいて通常行われていることであると言えるでしょう。

条件2「クライエントが不一致の状態にある」

これは,クライエントの自己概念と経験との間のズレが大きくなっており,自分の経験したことを自分のものとして認めることができず,心理的な問題を抱えている状態のことを言います。

条件3「セラピストが自己一致している」

これは,セラピストの自己概念と経験との間のズレが非常に小さく,自分の感情を含む経験をありのまま受け止め,自分のものとして体験できる適応的な状態であると言えるでしょう。
防衛的な構えがなく,安定した存在としてクライエントに接することが可能となります。

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条件4「セラピストはクライエントに対して,無条件の肯定的関心を払っている」

これは,セラピストがクライエントの感情や行動に対して,特定のものにだけ注意・関心を向けるのではない状態のことを言います。
クライエントの存在そのものを価値のあるものであるとして,人間対人間の形でやりとりをすることを言います。
たとえば,「この人は○○という偉い仕事をしているから関心を向けよう」などのように,その人のある属性(○○という偉い仕事)にだけ関心を払うのではなく,「この人」という存在そのものに関心をむけることも含まれるかもしれません。

条件5「セラピストはクライエントに対して,共感的理解をしている」

これは,セラピストがクライエントの主観的な世界に入り込んで,その人の経験をあたかも自分のものであるかのように感じ取ろうとすることを言います。
感覚,知覚,意味,記憶に至るまで,あらゆる側面に関してクライエントの感じ取ったそのままをセラピストも感じようと試みます。

条件6「クライエントが,セラピストは自分に対して無条件の肯定的関心と共感的理解をしてくれているということを,知覚している」

これは,クライエントがセラピストが自分の話を聞いてくれているという感覚を持つことにつながります。
自分の悩みや苦しみといった心理的問題を共有し,セラピストが自分とともに歩んでくれてるという感覚をもつことになるのです。

 

まとめ

ここまで,ロジャーズのカウンセリングについて,クライエントが変化するための6つの必要十分な条件についてお話してきました。

これら6条件のうち,条件3~条件5の3つは,セラピストが取るべき基本的態度の3原則であることもわかるでしょう。

このように,ロジャーズは6条件が揃えばクライエントの問題は解決すると考えました。

しかし,これだけの条件を揃えることは非常に難しいことであると言えます。

非常に本質的な部分の話であり,具体的にはどのようにしたらいいかというのが「応答技法」という形で示されていると言えるでしょう。

また,この点についてもお話して行ければと思います。

 - 人間性心理学

        

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