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ピアジェが提唱した発達の理論とは!?|各段階の特徴をまとめて解説vol.1

   

さて,今回は「ピアジェの発達理論」についてです。

ピアジェ(Piaget, J.)の功績は心理学,特に認知発達の分野において大きな影響を与えています。

ピアジェ(Piaget, J.)の功績は心理学,特に認知発達の分野において大きな影響を与えています。

ピアジェ(Piaget, J.)という人物は心理学において非常に大きな影響を与えた人物です。

特に,認知発達という観点から心理学について考え,今でもその考えや理論は子どもの発達や教育において非常に重要なものとなっています。

 

ピアジェの発達理論とは!?

ピアジェの発達理論は、人間の思考に関するものです。

人間の認識の発生を系統発生と個体発生との両面から考察しています。

つまり,人間の認識は,人類が科学的な知識を積み重ねてきたように,個人の中でも積み重ねることによって発生してくると考えたのです。

そしてこれは,発生的認識論(genetic epistemology)と呼ばれます。

ここでは,人間の思考に関して,質的に異なる4つの段階を設定しています。

  1. 感覚-運動期
  2. 前操作期
  3. 具体的操作期
  4. 形式的操作期

これは,発達を非連続的に捉える発達段階説の代表例とされています。

それぞれの段階で思考様式に質的な違いがあります。

これらを理解するためには,重要となる概念がいくつかあります。

 

ピアジェの発達理論の中核となる概念とは!?

ピアジェの発達的認識論においては,4つの質的に異なる発達段階が設定されていますが,これを理解するためには重要となる概念がいくつかあります。

  • シェマ(スキーマ:schema)
  • 同化と調節(assimilation / accomodation)
  • 均衡化(equilibration)
  • 操作(operation)

です。

これらが複雑に関係を変化させたり,性質を変化させることによってその意味が変わってくるのです。

それでは,先にこれらの概念について見ていくことにしましょう。

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シェマ(スキーマ)の同化と調節,そして均衡化とは!?

まずはシェマ(スキーマ:schema)についてです。

シェマとは,人間が環境と相互作用する時に使用される杞憂の行動や知識などのことです。

つまり,自分の身の回りのことを把握するために持っている,自分の知識や行動のことを指しています。
外界の認知に関する基本的な枠組みのことです。

同化とは

では,同化(assimilation)とは何でしょうか。

これは,主体が環境内の出来事を既存のシェマを用いて取り込む働きのことを言います。

つまり,自分がもともと持っているシェマ(認知的枠組み)によって,自分の身の回りのことを把握することを言います。

たとえば,普段みなさんは空から水滴が落ちてきたときに,自分がもともと持っている「雨」というシェマ(認知的な枠組み)を用いて,「ああ,雨が降ってきたなあ」と認識することになります。

調節とは

では,調節(accomodation)とは何でしょうか。

これは,既存のシェマ(認知的枠組み)では対応しきれない新しい出来事に直面した場合にうまくシェマ(認知的枠組み)を修正し,変化させることを言います。

つまり,自分の身の回りに起きたことが,自分がもともと持っているシェマ(認知的枠組み)では,理解しきれないときに,シェマ自体を修正・変化させて外界を認識することを言います。

たとえば,「雨」というシェマ(認知的枠組み)を持たない子どもにとて,空からの落ちてくる水滴は今あるシェマでは対応しきれない出来事です。

そこに「雨」というシェマ(認知的枠組み)を新しく取り入れ,シェマ全体を修正・変化させることによって,次から理解することが可能になっていきます。

均衡化とは

このように,人間はシェマを修正・変化させていきます。

これを繰り返すことによって,主体のもつシェマをより高次のものに構造化していき,ある認識を次の段階のさらに安定したものに発達させることをいいます。

つまり,同化と調節を繰り返すことによって,これまでなかった新しいシェマを追加したり,間違っていたシェマを修正したりすることによって,全体のバランスをとることによって発達していくと考えたのです。

 

まとめ

ここまで「ピアジェの発達理論」について,その理解のカギとなる概念についてお話してきました。

ピアジェは,シェマの同化と調節,そして均衡化によって認識が大きく質的に発達してくと考えたのです。

そして,シェマによる認識の発達のみではなく,行動が内在化される操作(operation)によっても,発達が進んでいくことになります。

次回以降でも,こうしたお話ができればと思います。

 - 発達心理

        

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