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教育の本質はここにあり!?|ヴィゴツキーの最近接領域の意味とは

   

さて,今回は「発達の最近接領域」についてのお話です。

ヴィゴツキーの「最近接領域」の考え方はとても重要なものです。

ヴィゴツキーの「最近接領域」の考え方はとても重要なものです。

「発達の最近接領域」とは,ソ連(現:ロシア)の心理学者ヴィゴツキー(Vygotsky, L. S.)が提唱した概念です。

これは子どもの発達や教育において,非常に重要な概念とされています。
ここでは,具体例を交えてお話していきたいと思います。

その前に,ヴィゴツキーという人物について紹介したいと思います。

 

ヴィゴツキー(Vygotsky, L. S.)とは!?

ヴィゴツキーという人物は心理学,特に発達心理学という分野において非常に輝かしい功績を残した人物です。

ヴィゴツキー(Vygotsky, L. S.)は37歳という若さでこの世を去りました。

ヴィゴツキー(Vygotsky, L. S.)は心理学において大きな影響を与えました。

しかし,驚くべきは彼の研究活動は約10年ほどと非常に短いことです。

彼は37歳という短さで,その生涯を閉じています。

もし,50歳,60歳と生きていれば現在の心理学も大きく変わっていたのかもしれませんね。

それほど大きな影響力をもち,その好奇心と探究心,頭脳明晰さは他に見ることのできない存在であったと言えるでしょう。

 

「発達の最近接領域」とは!?

それでは,ヴィゴツキーの提唱した「発達の最近接領域」とは何でしょうか。

最近接領域ということですから,何か2つのものの間にある「へだたり」であると考えられています。

では,その2つのものとはなんでしょうか。

1つは,「子どもがある課題を1人で溶ける発達の水準」です。

もう1つは,「子どもがある課題を,大人や自分より能力の高いものと共同することによって解ける発達の水準」です。

これをわかりやすく,算数を例にとって説明してみましょう。

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 例

子どもが算数の問題を解いているときに,1人ですらすらと解けるとしましょう。

この時には,1つ目の水準にあると考えられます。

では,1人ではできない問題に直面したときに,大人や自分より能力の高い人,あるいは参考書などからのヒントがあって,やっと解くことができたとしましょう。

このときには,2つ目の水準にあると考えられますね。

そして,この2つの水準の「へだたり」には,子どもの発達の潜在領域を意味しています。

つまり,子どもを成長させるためにはこの水準のへだたりの部分,すなわち「最近接領域」にアプローチすることが重要であると考えられているのです。

 

発達すべてにおいて重要か!?

このように考えると,子どもが「できるかできないか」くらいのレベルの課題を与えることが,発達にとって重要であると一般化されて考えられるようになります。

確かに,子どもの成長にとっては,その「できるかできないか」というレベルの課題を与えることは,子どもの好奇心を刺激し,興味や関心を引くためにも有効であると言えると思います。

しかし,ヴィゴツキー自身は学校教育のみに限定して,最近接領域の重要性を主張していたことに注意することが必要でしょう。

 

まとめ

ここまで,「発達の最近接領域」について,具体例を交えながらお話してきました。

ヴィゴツキーの考え方の根底の1つには,「外から内へ」という方向性があります。

あらゆる心理的な機能(思考や言語など)は,第一に社会的・文化的な発達において大人や自分より能力のある者との共同ややりとりを通して達成されます。

そして,続いてそれが自分一人でもできるように,独力でできるようになるという方向性があると考えていたのです。

こうした点についても,またお話できればと思います。

 - 発達心理

        

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