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肯定が子どもの発達には悪影響!?|子どもを最もダメにする3つのこととは

      2014/12/24

さて,今回は「子どもの発達」についてのお話です。

子どもの発達はのびのびとしていてほしいものですね。

子どもの発達はのびのびとしていてほしいものですね。

 

私たちの生活に影響を与えているもののひとつに信念体系(belief system)というものがあります。

この信念体系とは,簡単には考え方とか主義とかそういったものになると思います。

こうした生活に影響を与える信念体系やそれらによる行動は,子どもの頃に形成されることが多いです。

しかし、こうした信念体系は,実は子どもの発達に悪影響がある可能性があるのです。

今回はその中でも,最も共通していて最も有害と思われる信念について,お話していきたいと思います。
そのすべては子ども時代に形成・発達していくものです。

 

周りに合わせることが悪影響!?

私たちは学校生活の中で,一列に並んで,整列された机に座り,制服をきていますね。

そして,みんなで同じ授業をとり,同じ方法で問題を解くように教えられていきます。

そうした「整えられた」学習環境の中では,他と異なる行動をとる子どもを「変なヤツ」として取り上げることで,周りに合わせることを求められ,違うことに注意するように言われていきます。

大人になるとクリエイティブということが叫ばれるように,周りと違うことが求められたり賞賛されたりするわけですが,そのような中で成長すると,「違っていること」を怖がるようになるのです。

このように,子ども時代に「違っていること」を怖がりながら育った子どもにとっては,「周りと違うことはいけないことだ,周りと合わせなきゃ」という信念体系は悪影響となる可能性をもつのです。

 

完璧主義は悪影響!?

子ども時代には,全力を尽くすように求められます。

学校では100点をを取るように努力し続けますし,スポーツでは完璧なプレーができるように練習し続けます。

なにより私たちは,どれくらい「完璧に近いか」によって褒められたり評価されたりするのです。

その結果として,できるだけ完璧に近いことが,より成功した状態であってより良い人間なのだと思い込んでしまうのです。

完璧主義が問題となるのは,それが不可能な基準だからなのです。

完璧がノーマルな基準となってしまうと,リスクを犯すことをしなくなるのです。

その結果,その人の潜在能力を最大に発揮することができなくなるのです。

このように,完璧に近いほど評価されるような環境では,常に完璧でいなければと思ってしまいますから,失敗を恐れるようになってしまいますので,「完璧主義でいなければ」という信念体系は悪影響となる可能性をもつのです。

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肯定されることが悪影響!?

子ども時代には,私たちは親や教師,兄弟や仲間などから承認を得たいと思っています。

そして,自分のしたことを褒めて肯定して欲しいと思うものです。

このように周囲の大人から肯定されているということは,その人たちから支援を得られるという利点があります。

しかしその一方で,自分の価値にとって他人からのに止められることが必要となり,自分の自信を高めるために,外からの承認を継続的に求めるようになってしまうのです。

他人が肯定的な態度を示しているときはいいですが,逆に非難されるような時には,これまできずきあげてきた自信がすべて無に帰してしまうほどのショックを受けてしまうのです。

 

まとめ

これまで「子どもの発達」について悪影響を与えるものとして,

  • 周りに合わせること
  • 完璧主義であること
  • 肯定されること

この3点が最も共通していて最も有害だということをお話してきました。

現代社会では,よりユニークな個人である能力,失敗を恐れずにリスクを犯せる能力,自分自身で自分の価値を認めてあげられる能力が求められる時代となっています。

今回お話した3つのことは,子どもの成長を支える面もあることは間違っていないと思います。

しかし,こうしたことばかりに頼っていてはダメだということに注意を向ける必要はあるでしょう。

そして,周りの大人たちが,ほどよい形で個性を認め,きちんと失敗を経験させ,自分の価値を自分で認めることの大切さを伝えていく必要があるかもしれませんね。

 

参考:The Three Worst Things We Learned As Children

 - 発達心理

        

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